奈良医大7/8の会見。

(福島英賢 救急科教授より)

・頸部に2箇所の銃創。心臓および大血管の損傷による心肺停止

・銃創は頸部(鎖骨よりも頭側)の真ん中(正中)と少し右(正中から5cmくらい)の二箇所。

・創の深さは、心臓にまで到達する深さ。

・病院到着時心停止状態。救命の可能性は非常に厳しいと予測された。

・胸部の止血術および大量の輸血を行った。

・100単位以上の輸血を行った。(著者注:輸血1単位は約280mLなので100単位は14000mL)

・手術中には弾丸は確認できなかった。

・頸部に二発。大血管の損傷。方向が心臓の方向に向かっていたと思うと。

・体に二箇所の銃創があり、心臓と胸部の大血管に損傷があったことで間違いない。

・大きく開胸した後に、出血点を探して止血する、蘇生的開胸術を行った。

・死亡の原因は失血死といってよい。(著者注:医学用語では出血性ショックによる心停止といいます)

・心臓の創は、大きいものがあった。

・弾丸による心損傷を確認した。

・銃創とは、基本的に入り口(射入口 entry)よりも大きな創を作るものと理解している。

・左の肩に一つ創があった。それが射出口ではないかと思っている。

銃弾は一つも発見されていない

・大量出血により凝固障害をきたし、いろんなところから出血が始まっていた。

止血が得られた箇所もあったが、そこまでいってしまうと完全な止血、蘇生は困難であった。(注:大量出血の病態の解説)

・大きな血管からの出血のコントロールまではできたが、残念ながら心拍は再開しなかった。

・一般的には、銃で打たれたりして心停止の場合、心臓マッサージの処置は行った方がよい。

・集中治療室には、入れなかった。(救急)外来処置室でずっと治療を行っていた。

前頸部に創があったのみで、後ろに創はなかった。(重要)

・前に創があるからといって、銃弾の方向はわからない。一つの銃弾は、横から前頸部をかすめて、左の肩へ抜けたとして矛盾はないように思う。

・肩に抜けた銃弾による銃創は、致命傷にならなかった方のものかもしれない。はっきりとはわからない。

・心臓の心室(注:ポンプ機能をつかさどる一番重要な部分)に創があった。

・蘇生処置は、最終的には20人以上の体制で臨んだ。始まったときにも10人以上の体制であった。

・奥様がこられたのは確認している。その他の家族についてはわからない。

・銃創(銃弾)は、一直線には進まない。体に入ったあと、身体の中で、あちこち曲がって動く。なので、どういう軌道を描いたかというのはわからない。

・いまのところは、「ひとつの銃弾が横から前頸部をかすめて、左の肩へ抜けた」「もう一つの銃弾は、前頸部を通って心臓に達した」と考えられるが、銃器の専門家がみられると、また違う分析になるかもしれない。(筆者注:救急医、外傷外科医、胸部外科医は、救命処置の専門家であり、銃器の専門家ではない。)

・安倍総理の持病と今回の死亡とは、まったく関係がないと思う。

・搬送時、救急部だけでなく病院内のほかの部門とも連携をとって、手術室などの確保は行っていた。

(吉川公彦 病院長)

・病院としては、できるだけのことを行ったが、今回このような結果になってしまったことを非常に残念に思います。

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