腹腔鏡下で脈管剥離を行うには、しっかりした技術が身に付いていないと危険である。その要諦を述べる。まず、できれば間膜に穴をあける。確保したい血管を明らかにする。そして、その周りの膜や線維を出す。膜や繊維をハーモニックで切っていく。とくに、血管の周りのものを一枚一枚ハーモニックで破壊していくのは非常に有効である。周りのものをどう引っ張るかによって血管の見え方がかわるから、色々試してみた方がいい。とくに、血管の表側が見えているからといって、裏側に盲目的に鉗子を突っ込んでほじほじするのは絶対にいけない。後ろに枝がある可能性なんてざらにあるからだ。もう一度言うが、脈管を確保するとは、その周りにある膜や繊維を出して切っていくことと同値である。それから、これは一番大事なことであるが、副損傷を起こさないこと。例えば左手で組織をつかんだまま画面から目を離したり、鉗子を誘導する時点で腸を串刺しにしたり、と言った具合である。内視鏡手術では、この点に十分気をつけねばならない。
Toshi