肺癌の葉切除の中でもっとも多いのが右上葉切除である。
手術前に、A2の分岐を確認する。ちゃんとA1+3とA2bになっているか。
(2023/8/13追記)
術前CTチェックリスト
・A2bとA6の分岐する位置
・aberrant V2 の有無
・中葉からcentral veinへ還流するVX4の位置
・PVが大静脈系へ還流する部分肺静脈還流異常
・リンパ節の腫大や石灰化の有無
・分葉状況
・手台はできるだけ低い位置で固定(カメラワークの妨げにならぬよう)
・手術の最後に軸捻転予防やるべし!
(追記ここまで)
それから、中葉のVをきらないことが大事。切ったら、信頼できる心臓外科医に縫い直してもらうか、中葉も切除するしかなくなる。
それから、V2が気管支の背側をとおっている人がいる。これも事前にCTでチェックする。気管支を前から通す(確保する)ときに大出血することがあるからだ。要するにcentral veinじゃない人がいるってことね。(ちょっと違う?←4/27追記)
V2が下肺静脈から出て中間気管支幹の後ろを通っているのがaberrant V2である。(←4/27追記)
さて、具体的な手順であるが
まず、前面で縦隔胸膜を切開する。上肺静脈上縁〜中葉にいく静脈の上縁を出す
その上もきれいにして、ある程度PAおよび上幹をだせるようにやっとく。
上中葉間の出口になるところを出す。それは。中葉にいく静脈の上のところです。しっかり出しとく。
なんかPAの近くに硬い靭帯みたいなところもあるから、そこも切っておきましょう。
続いて葉間の操作。肺動脈を同定して、形を露わにしましょう。
特にA6 A4+5 静脈も実はいっしょにいる。上中葉間通すときは、A4+5の頭側から出口(中葉にいく静脈の上のところ)にむかってカンシを通します。そして糸をかけて切る。
上下葉間を通すときは、11sの外を通るようにします。上下葉間の出口は?
後ろから見て上葉気管支が分岐するところですね。その下のところに出す。上が取る側になるからね。
ここでもかならず下肺静脈がどこにあるかは確認しときましょう。
#7はあとで郭清すればよし。
葉間はブジーしてOK。自動縫合機で切る前に、やはりPAの剥離を十分やっときます。剥離が不十分だと力がかかって裂けることがあるからね。
葉間を自動縫合機で作ったら、まずPVの処理する。中葉の静脈をぜったいに切ってはいけません。
それから上幹の処理をする。A2bの処理をする。これは前からでも葉間からでもOKだが、個人的には、前から十分はがして、葉間で処理するのがおすすめかな。場合による。(7/27追記 このとき、VATSなら肺を上方へ跳ね上げることで、良好な視野が得られる:胸腔鏡教育マニュアルに書いてあった)
さて葉間ではA2bを処理して、11sをとって(しみこみがある場合は難しい)
残るは気管支の処理のみ。気管支はリガシュアでむいて、自動縫合機で処理します。
そうすると上葉がとれます。
そしたら上縦隔郭清を行って、手術終了です。
上縦隔郭清の境界。(2023/8/15追記。全然違うこと書いてあった。俺大丈夫か?!笑)
頭側:×腕頭静脈 ◯腕頭動脈の末梢=右鎖骨下動脈の起始部 後ろ:気管、迷走神経 前:SVC(頭側の前側は実は境界がない、ちょっと尾側は左腕頭静脈になる)
尾側;×肺静脈 奥:△大動脈 ◯心膜
しっかりイメージしよう。乳びポイントに気をつけてね。(2023/8/15追記 乳糜ポイント(渡辺先生の動画もう一回よく見る!)だけでなく、出血ポイント(SVCからの枝、アジゴスの背側のところ=対面視野だと右下のところの気管支動脈)および致命的な出血ポイントにも気をつけること!)
右上縦隔は、SVC/ 動脈(心膜につつまれている)/ 気管がこの順番に並ぶ。
Toshi
こちら(上幹より近位部で大出血したときの対応)も参照。
呼吸器外科
