前縦隔腫瘍でもっともよくあるものが胸腺腫である。

MG合併胸腺腫は、外科治療適応。しかも拡大胸腺全摘を行う。

(MG合併していなければ、胸腺全摘のみでよい。MG合併してるかどうかは、anti AchR-Abが陽性か陰性かで決める。当然陽性ならMG。)

胸腺腫の合併症としては、他に、赤芽球ろうやクリーゼ、低ガンマグロブリン血症がある。

胸腺静脈は背側から生えているか、尾側に降りてくる。(もちろん左腕頭静脈から出る)

SVCの枝、奇静脈、

クリーゼとは急性増悪のこと。MGクリーぜという。

術後24時間以後に起きることが多い。(2024/10/19追記;範囲広すぎやろ!笑)

拡大胸腺全摘の範囲は下図。

頭側は甲状腺の下縁まで(最低左腕頭静脈のラインまで)。尾側は横隔膜まで。外側は横隔神経まで。

いいね。

ついでに横隔神経に伴走する血管は心膜横隔動静脈である。

(2023/12/16追加画像↑甲状胸腺靭帯とか認識できるんかいな)

Operative Procedure
The extended thymectomy was performed with the patient in the supine position. The sternum was split, after which an en bloc resection of the anterior mediastinal fat tissue, including the thymus, was performed. Dissection was performed bluntly from pericardium and pleura. The adipose tissues around the upper poles of thymus, around both brachiocephalic veins, and on the pericardium were resected meticulously. If necessary, the pleural cavity was entered. The borders of resection were the diaphragm caudally, the thyroid gland orally, and the phrenic nerves laterally (Fig. 1).

(Masaoka A, et al. Extended thymectomy for myasthenia gravis patients: a 20-year
review. Ann Thorac Surg, 1996; 62: 853-9.)


Toshi

追記 

MG合併の胸腺腫は、typeB(リンパ球優位型)が多い

胸腺腫B3とSQ(扁平上皮癌)の鑑別は病理医でも難しい。

(2022/12/23追記)

A AB B1-3. といくほど悪性度が高くなるが、ABとB3の違いは熟練した病理医でも難しい。

ABと思っていたら再発して、後から悪性度のより高いB3だとわかることがある。

(2022/11/26追記)

重症筋無力症myasthenia gravis がなく、単純胸腺全摘でよく、右側によってるもの「のみ」、右からだけのアプローチで胸腔鏡下胸腺全摘を行う。

手術の序盤には、いつもと反対側(横隔神経の腹側)で胸膜切開を行う。

アオルタの3分枝のところ(付近)に腫瘍がかかってる場合は、鏡視下アプローチでは危ないので、胸骨正中切開でのアプローチを行う。

右側は対面倒立、左側は見上げで行う(不思議!)

明後日の手術は、リオぺなのだが、体位は右半側臥位。手はあげてもらう。

PA第一分枝の高さで左回りにターンしてくる感じ。左側のみのアプローチで、見上げで行う。

胸腺と甲状腺って繋がっとったんやあー!!!笑

解剖が読み切れれば、肺切除よりも簡単な手術!

左からやるときは、腕頭静脈(innominate)をみないで腫瘍がとれる。。。

まだまだ、解剖がわかってない。。。

絵で描くより随分むずかしい。つらい。。。笑

最後に大事なこと。縦隔腫瘍は、良性であっても手術をできるだけ早めに行った方がよいです。

現在安全な手術になっている。(呼吸器外科医の努力によって)

Toshi

(2022/11/28)

解剖の話する。

SVCがleft innominateとright innominateにわかれる。

innominateからinternal thoracic veinが出る。左右それぞれあるね。

left innominateからは、下甲状腺静脈と胸腺静脈が出る。

胸腺静脈がSVCから出ることはないのだろうか。

全然関係ないけど医中誌で破傷風の小児の症例調べてみたい

ここの(胸腺の手術の)縦隔の解剖を覚えるときは、胸骨正中切開するイメージで。前からのイメージでよい。手術のときもそうだから。真ん中にあるのはアオルタ。アオルタクランプのアオルタ。

どうでもいいけど「ツナコロッケ」について。鎖骨下動脈の枝。

ついこつ、ないきょう、こうじょうけい、ろっけい

ころっけは正直覚える必要ないが(笑)

こうじょうけい動脈thyrocervical trunkは、甲状腺と頸部の筋肉にいく。

ろっけい動脈costocervical trunkは、肋間動脈と頸部の筋肉(深部)にいく。

(2023/4/23追記)

胸腺腫のWHO分類と、正岡分類はそれぞれ独立した予後因子。

浸潤性胸腺腫は、縦隔のpotential spaceを縫うようにして進展する。重力に従って腹にいくこともある。

(胸腺腫の難しさとは?)

通常、胸腺腫は全縦隔の腫瘤性病変として認められるが、横隔膜上部や心臓の外族に発生する場合もある。まれではあるが、異所性に発生すると頸部や後縦隔にもみられる

形態的に腫瘍細胞の異型が乏しくても、浸潤転移をきたして悪性の経過をとる腫瘍がある。→病理形態学的分類の作成難しいねって。

=腫瘍細胞の異型性が乏しい胸腺腫では、病理診断での良悪性の判定が不確実

→「手術時の」所見である腫瘍の進行度により病期分類を行う(=正岡分類)

非浸潤性胸腺腫=いつもみるような胸腺腫 球〜楕円形 左右いずれかに偏在が多い 内部均一に造影

浸潤性はその逆(嚢胞変性や石灰化をともなう比率高い)

A AB B1 B2 B3の順番にどんどん悪くなる

腫瘍と周囲臓器の間に介在する脂肪層の消失とかに注目する。

MRIでは読みすぎることあり。(浸潤ないのに浸潤と読んじゃう)

肺浸潤の診断とかいちばん難しい。

肉眼病理的な特徴。分葉構造。

線維性の隔壁はT2強調で低信号を示すので、それでわかったりする。

胸膜播種が肺底部背側までいったりするので、CTの撮像時はそこまで含める必要がある

(治療方針について)

オペできるならオペする。YN先生がプロ。

完全切除されたI-II期胸腺腫→放射線当てる必要なし。術後アジュバントも必要なし

III→微妙

不完全切除なら当てた方がいい

切除不能4期 とか 再発→CAMPとかやる

ステロイド効く。CPAはシクロホスファミドか

薬物療法正直よくわからん。。。

(2023/10/8追記)

(このままでは)オペできないものに関して、ADOCやCAMPをやる。(プラチナとアンスラサイクリンの併用が勧められる。)

Aアドリアシン Dシスプラチン(cDDP) Oビンクリスチン(オンコビン) Cシクロホスファミド

CAMP :シスプラ(Cddp) ドキソルビシン(A) メチルプレドニゾロン(MP)

アンスラサイクリン用いない治療も、あるにはある。

(2023/12/16追記)

予後は正岡式ではあんまり綺麗にわかれてない?? →IIとIIIで全然違う

(2023/12/18追記)

胸腺腫は、腫瘍死よりも合併症死が多い!(MGや低ガンマグロブリン、赤芽球ろうなど)

だから合併症が大事なんです。

(2024/10/7追記)

正岡分類は今でも光っている!

I期 被膜に包まれている

II期 周囲の脂肪(とか縦隔胸膜)への浸潤

III期 血管とかへの浸潤(心膜含む)

IVa期  胸膜播種

IVb期 リンパ行性や血行性に別臓器への浸潤

IとIII、IとIVとかは有意差を持って分かれますと。

IV期でも5年生存率は8割ある

それから、自己免疫疾患を発症する前に治療していくことが大事。

心嚢内播種はオペの適応外だけど、胸膜播種はオペ適応。

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