桜ソング2つ目を紹介しよう。
世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし
(世の中に全く桜の花がなかったら、春の心はもっとのどかだったのに)
在原業平

美しい桜の花を見て詠んだ歌だろう。
なんとなく、美しい桜の花が、美しい女性の姿にも重なる。
なんてったって、元祖プレイボーイの在原業平の歌だから。
業平が見ているのは、完全に美しい桜なのだ。
しかし、その美しさというのは、人の心を虜にし、惑わせる。
惑わせ、悲しませる。いつかは散ってしまうから。
楽しい人生も、いつかは終わってしまう。
そうやって心が落ち着かないのだ。
この歌も、美しさと儚さが両方歌われていて、なんとも愛(かな)しい気分になる。
Toshi