大学病院の勤務医、「教育・研究」は準備・研鑽も含めて労働時間
厚労省が研鑽に関する通知改正で解釈明示
厚生労働省は1月15日、医師の研鑽に関する労働時間に関する通知を一部改正、大学の附属病院等に勤務する教育・研究を本来業務とする医師について、教育・研究のみならず、これらに不可欠な準備・後処理や、直接関連性のある研鑽は、労働時間に含まれるとの見解を示した。研鑽については本来業務との関連性に関し、医師本人と上司の双方の理解が一致するよう確認を行うよう留意する必要があるとしている。
改正した通知の正式名称は、2019年7月1日付の「医師等の宿日直許可基準及び医師の研鑽に係る労働時間に関する考え方についての運用に当たっての留意事項について」。通知では、今回の改正は「解釈の明確化を図ったものであり、これまでの労働基準法の取扱いを変更するものではない」と説明している。
厚労省労働基準局監督課によると、「大学の附属病院等」の「等」には、教育・研究を本来業務として行う医療機関に限られ、教育・研究を本来業務としない医局からの派遣先の市中病院などは含まれない。「あくまで教育・研究を本来業務に含む特殊な医療機関に勤務する医師の研鑽について明確化したもの」と説明する。研修医らに限らず、「労働者として時間管理される勤務医」が本通知の対象になる。
改正の骨子は以下の通り。
- 大学の附属病院等に勤務し、教育・研究を本来業務に含む医師は、「診療等その本来業務」及び「診療等の本来業務」の「等」 に、本来業務として行う教育・研究が含まれる(「新しい治療法や新薬についての勉強」、「学会や外部の勉強会への参加・発表準備」、「論文執筆」などを含む)。
- 当該医師が本来業務及び本来業務に不可欠な準備・後処理として教育・研究を行う場合(例えば、大学の医学部等学生への講義、試験問題の作成・採点、学生等が行う論文の作成・発表に対する指導、大学の入学試験や国家試験に関する事務、これらに不可欠な準備・後処理など)については、所定労働時間内であるか所定労働時間外であるかにかかわらず、当然に労働時間となる。
- 現に本来業務として行っている教育・研究と直接の関連性がある研鑽を、所定労働時間内において、使用者に指示された勤務場所(院内等)において行う場合については、当該研鑽に係る時間は、当然に労働時間となり、所定労働時間外に上司の明示・黙示の指示により行う場合については、一般的に労働時間に該当する。