大腸がんの化学療法には、術後補助化学療法と、進行・再発および切除不能例に対する化学療法があるが、今回は後者を説明する。

まず、RAS:ラス(KRAS:ケーラス、NRAS:エヌラス)変異とBRAF(ビーラフ)変異を検索する。手術で検体がある場合は検体のコンパニオン診断からはかる。

手術検体がない場合は、内視鏡下で生検する。それか、ctDNAといって血漿中からもってくることも最近は(研究レベルでは)行われている。

以下、BRAFが陰性と仮定して話をすすめる。

RASが野生型の場合は、抗EGFR薬(パニツムマブP-mab=商品名ベクティビックス®、セツキシマブC-mab)が効くので、キードラッグ(FOLFOX/FOLFIRI/CapeOX/Cape単剤:ちなみにカペシタビンの正体はフッ化ピリミジン。2003年くらいに登場した薬。商品名ゼローダ)に加えてP-mabやC-mabを使う。

右と左では、右の方が重症の傾向にあり、抗EGFR薬が効かないことも多いので、右側大腸癌では、最初からベバシズマブを使うのが良い。

RASが変異型の場合は、抗EGFR薬は効かないので、代わりにしょうがなくベバシズマブB-mabを使う。

BRAFが陽性の場合は、トリプレット(FOLFOXIRI)3剤併用+ベバシズマブがよいだろう。

なお、EGFR抗体と経口抗癌剤(CapeOX)のコンビネーションは今の所確立していないので、やるならFOLFOXなどの静注治療がよい。5-FUを使うときにはポートが必要である。外来治療する場合、basal doseを家でも投与する必要があるからだ。ちなみにボーラス投与では骨髄抑制がおきやすく、持続投与では消化器症状が起きやすい。

副作用に関して。EGFR抗体薬は皮疹ができやすい。血管新生阻害薬は血栓ができやすい。また、血管新生阻害薬なので、創傷治癒遅延もおきる。

すごくざっくりだが、だいたいこんな感じだ。

ちなみにdoublet+Bevで効かなくなったらセカンドラインではほかの血管新生阻害薬を使うことが多い。R-mabなどだ。

そして、MSI-highなどの概念は二次治療で、免疫チェックポイント阻害薬を使う時にきいてくる。

(追記2021.1.16)
MSI-HighならばPembrolizumab(キイトルーダ)の適応がある。
二次治療のFOLFIRI+Ramucilumab が効かなくなってきたときは、3次治療、4次治療として、ロンサーフやスチバーガ(レゴラフェニブ)といった薬を用いる。
ロンサーフには血球減少、スチバーガには手足症候群といった副作用が出やすい。

オキサリプラチンは透析でのぞかれにくいが、イリノテカンは除かれやすい。
(基本的に、透析患者に化学療法をすること自体まれである。私の勤めている病院では基本行っていない。)

Toshi

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