下部消化管穿孔は、敗血症性ショックになっていることが多く、緊急手術および集中治療を要する。予後は悪い。
かならず、ストマサイトマーキングを術前に行っておく、どこにストマを上げるかわからない場合は、4点マーキングとするとよい。
まず、開腹して便塊を取り除き、穿孔部を軽く縫合閉鎖する。そのあと、穿孔部をふくんだ腸管を切除する。
回盲部切除、上行結腸切除、横行結腸切除、下行結腸切除、S状結腸切除、直腸切除があるが、
回盲部切除とS状結腸切除が頻度として多く、その次に横行結腸切除が多い。
回盲部切除は述べたことがあるので、S状結腸切除と横行結腸切除を解説する。
S状結腸切除では、まず授動が必要である。
直腸の授動と、下行結腸の授動だ。これらは、切除と再建のためである。
緊急手術は腫瘍の手術ではないので、IMAやIMVの根部などを出す必要性はない。
血管処理の際は、Sudeck's pointに注意する。
授動(外側アプローチ)してから、血管処理(内側アプローチ)する。
血管処理に関しては、どういう風に血管を残すのか?を考えて行う。
間膜血管を処理したら、腸管を自動縫合器で切ってしまう。扇状と、弦状と、弧状の間膜処理があると思うが、まあ扇状に処理することが多いかな。
最後の洗浄では、煙がたつのをみる。
さて、下部消化管穿孔の手術では、感染を合併していることが多く吻合再建してもleakが起きやすいため、再建せずに人工肛門造設とすることが多い(これを、ストマを上げる、という)。
人工肛門の造設について説明する。
まず、人工肛門の孔をつくる。腹直筋上で縦方向に切開して、腹直筋前鞘、腹直筋、腹直筋後鞘、腹膜と切開していく。腹直筋後鞘には、血管がいることがあるので十分に注意する。
腹直筋を開いたら、前鞘と後鞘を針付き糸で結ぶ。結んで、針をつけたままスペンサーでもっておく。
これを上下左右に対して行う。
腸管を上げ、漿膜をとって続きを結ぶ。4点を、前鞘、後鞘、漿膜(しょう、しょう、しょう)と結んだら、いったん放っておく。
そして閉腹後、ふたたび埋没縫合のような感じで一周(8~12針程度)縫合する。そしてストマをあける。このとき、手術創の汚染を避けるため小さい穴あきコンプレッセン(孔がストマのところにくるように)を用いて手術創を保護する。
なお、感染症のコントロール目的の手術なら上記で良いが、癌の切除後の場合は、ストマの口をきっちり開けてから整える。具体的に言うと、真皮、真皮近くの腸管の漿膜、粘膜のところの全層、ととって結ぶ。これを8か所に対して行う。
(以上の手順では、4-0PDS針付きと、スペンサーをたくさんつかう。まず、四方の前鞘と後鞘をとって針付きのまま結び、スペンサーで把持したまま四方に糸を出す。そのあと、腸管を出してきて漿膜をとり、また結んで糸を切る。閉創後、四方に関しては、上記のように、真皮、漿膜、粘膜のところの全層ととって結び、スペンサーで把持しておく。四方の真ん中に関しては、同じように運針し、糸を結び、糸を切ってしまう。そのあと、四方の糸も切る。スペンサーを多用するのがこのときのポイントだ。)
なお、感染しやすいため、閉腹にも一工夫をするとよい。具体的にいうと、減張縫合や、開放創にしておくということである。また、筋膜下にリリアドレーンを入れるのもよい。
手術が終了して一安心、、、と言いたいところから、感染管理や栄養管理といった戦いがここから始まるので注意すること。
Toshi