背後に遺伝性疾患(Rendu-Osler-Weber病など:合併率10-20%)があると、肺以外にも動静脈瘻をきたし、消化管出血や鼻出血、皮下出血などもきたすことある。
当たり前だが生検は禁忌。
脳梗塞や脳膿瘍をきたす可能性があるので手術を行う。
AVF/AVMの大きさが2-3cmあるいは流入動脈径が3mm以上の例では早期治療が望ましいとされている。
だいたいの場合IVRでいけるが、根治確率は手術よりは落ちる。
肺高血症があると切除の適応はない。
末梢なら部分切除でいいらしい、初めて知った。
中枢なら葉切除や区域切除が必要みたいだけれど。
(2023/11/22追記)
昔は3mm以上じゃないとカテーテル治療できなかったけど、今は3mm以下でもできるそう。
血管の形(AからVにつめたコイルが流れていかないか)とかを見て、手術適応を判断しているそう。
カテーテル治療の進歩はすごいぞ。
(同日補足)オスラー病(=Rendu-Osler-Weber病=遺伝性出血性末梢血管拡張症)について
1.概要
オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)は、1.鼻出血、2.舌・口腔粘膜・指・鼻の末梢血管拡張、3.内臓病変(胃腸末梢血管拡張、肺、肝、脳、脊髄動静脈奇形)、 4.家族歴(遺伝性)を特徴とする疾患である。
2.原因
常染色体優性遺伝により発症する。現在まで、責任遺伝子としては、ENG(Endoglin)、ACVRL1(ALK1)、 SMAD4の3つが確認されている。最近、この3つ以外の責任遺伝子の存在がいくつか推定されているが、確定はされていない。臨床病型として、ENG異常によるものはHHT1、ACVRL1異常によるものはHHT2と分類され、HHT1では肺及び脳動静脈奇形が、HHT2では肝動静脈奇形が多く併発することが知られている。
3.症状
鼻出血、消化管出血、腹痛、口腔内出血、発熱、全身倦怠感、痙攣、頭痛など極めて多彩である。
4.治療法
肝臓以外の臓器に出現した血管奇形に対しては、カテーテルを用いた血管塞栓術が第一選択の治療法として行われる、その次に実施される治療法としては、脳血管奇形に対しては外科的摘出、定位放射線療法などがある。鼻出血に対しては、圧迫法、レーザー焼灼療法、鼻粘膜皮膚置換術などが行われる。消化管に生じた出血に対して内視鏡的治療が行われ、最近ではアルゴンプラズマ凝固が多く行われている。
5.予後
オスラー病による死亡率は2~4%と報告されている。本邦でも4例の死亡報告例があり、 死因はそれぞれ脳膿瘍2例、敗血症1例、門脈-肝動静脈吻合による肝性脳症1例である。近年、血管塞栓術、レーザー治療などによりその殆どの血管病変が治療可能になってきており、致死的な血管病変、重篤な脳膿瘍、敗血症などの合併症が併発しなければ、予後は比較的良好と考えられている。
○ 要件の判定に必要な事項
1. 患者数
約10,000人
2. 発病の機構
不明(責任遺伝子としてENG(Endoglin)、ACVRL1(ALK1)、SMAD4の関与が確認されている。)
3. 効果的な治療方法
未確立(対症療法のみである。)
4. 長期の療養
必要(病態を改善させる治療法なし、対症療法のみ。)
5. 診断基準
あり(研究班作成の診断基準あり。)
6. 重症度分類
自覚症状(mMRC分類)、動脈血酸素分圧(酸素飽和度)、肺内シャント率、脳脊髄動静脈奇形の程度、肝臓動静脈奇形の程度、消化管出血の程度、鼻出血の程度を用いて、重症度3以上を対象とする。
○ 情報提供元
「難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究」
研究代表者 千葉大学大学院医学研究院 呼吸器内科学 教授 巽浩一郎
<診断基準>
Definiteのみを対象とする。Probable及びPossibleの場合は、さらにオスラー病か否かの診断を経過観察も含めて進める。
オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)の診断基準
A.症状
1. 鼻出血:自然かつ反復性に出現。
2. 末梢血管拡張症:鼻腔、眼瞼、口唇、口腔、手指などに出現する拡張性小血管病変(圧迫により退色)。
B.検査所見
1. 内臓病変:胃腸末梢血管拡張、肺、脳、肝、脊髄の動静脈奇形
2. 家族歴(遺伝性):HHTと診断されている1親等の血縁者(兄弟、姉妹は1親等の血縁者に含まれる。)。
C.鑑別診断
以下の疾患を鑑別する。
単純性肺動静脈奇形など、遺伝性でない各臓器における単純性動静脈奇形
D.遺伝学的検査
ENG(Endoglin)、ACVRL1(ALK1)、SMAD4遺伝子の変異
<診断のカテゴリー>
Definite:A-1、2+B-1、2の中の3項目を満たし、Cの鑑別すべき疾患を除外したもの、あるいはDを満たすもの。
Probable:A-1、2+B-1、2の中の2項目を満たし、Cの鑑別すべき疾患を除外したもの。
Possible:A-1、2+B-1、2の中の1項目を満たし、Cの鑑別すべき疾患を除外したもの。